響かせない為?

ピアノの響きをより豊かに演出する響板は、木製です。
一方、弦は鋼鉄製。ハンマーが弦を打つ音を増幅するだけなら、金属板の方が効率よく大きくできます。これを敢えて木製にしたのは、木は低音だけを増幅し、高音をカットする性質があるからです。

弦を打つ音だけを聞いてみると、シャンシャンという金属的なノイズに満ちた音をしています。この音をそのままの形で増幅すると、ノイズの激しい音になり、現在奏でられている美しい音色とは全く異なる音になってしまうのです。
木は耳障りな倍音をカットし、楽音成分だけを増幅して豊かな音色に変えてくれています。ピアノの響板として大変適した素材なのです。

ピアノの響板として多く使われているのは、スプルースなどのエゾマツの仲間です。
倍音を効率的に吸収し、まろやかに感じる音だけを豊かに響かせる性質がより優れている種類として、ピアノ製造の現場で役だっています。

【アンサンブル・ピアノ】
ベートーヴェンが活躍していた時代は、ピアノはハイテクな楽器として知られ、ペダルが4本以上あるものが多数作られていました。
なかでもウィーンのゲオルク・ハスカという職人がつくるものは、特にペダルが多いことで有名で、8本のペダルを有するピアノもあったほどです。
現在は、通常3本のペダルを、音の響きを持続させるためと、音を弱めるために使用されますが、当時のペダルはオルガンのように、音色を変えることが目的でした。